ネコの被毛調査●その1.5:遺伝の決まり事(増補版)

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CFAとTICAと日本語と俗称が入り混じって、実はよく判らない被毛調査をしました。
主な決まり事を出来るだけ簡潔に、用語を正確にしたつもりですが、誤りはお教えいただけると幸いです。

その1:遺伝の決まり事をあまりに簡単に書きすぎて、ベースカラーの説明ができなくなりました。遺伝子の決まり事を優先順に並べなおし、出来るだけ簡潔に書きましたけど面倒ですね。。(巻き毛は除外)増補編とします。

★優先① W ホワイト因子 (肢体全体を白くする)
W因子内の優劣 W→白(優性) > w→白以外
下位に影響する W(優性) > L以外のすべて

他のすべての遺伝子に対して上位。つまりWがあれば体全体が必ず白。
ホワイト因子がWWの場合、目の色が通常の黄色から青に変化したり、両眼の色が異なるオッドアイとなる。聴覚障害を伴う場合が多い。(特にブルーの瞳、目まで白い訳です)

★優先② O オレンジ因子 (毛色をオレンジにする)
オレンジの色素であるファオメラニンで発色する因子。
O因子内の優劣 O→茶、赤とも = (優劣なし) o→ブラックの毛、野生色とも
下位に影響する因子 O(優性) > Aアグーチ因子、Bブラック因子、I因子(Inhibitor)の働きを抑制する

★優先③ A アグーチ因子 (Agoute 毛色をアグーチにする)
A因子内の優劣 A→アグーチ > a→単色の毛
下位に影響する因子 a(劣性) > Tタビー因子の働きを抑制する

毛の先端と根本が黒、中間部がオレンジなる毛色をアグーチと呼ぶ。
1本の毛が複数の色でしましまになる毛をティックドとも呼ぶ。
Oオレンジ因子O(優性) > Aアグーチ因子a(劣性)のため、Aアグーチ因子aa(劣性 ノンアグチ)でオレンジはあり得ない。

★優先④ B ブラック因子 (毛色を黒くする)
黒い色素であるユーメラニンで発色する因子。
B因子内の優劣 B→黒 > b→チョコレート > bl→シナモン

★優先⑤ C 着色因子(Color Pointの略で、シールポイントやアルビノになる)
C因子内の優劣 C > cb > cs > ca > c

▼Aアグーチ因子がA(優性)の毛色
CC、Ccb、Ccs、Cca、Cc →タビー(薄い部分が地色、濃い部分が縞状に交互の模様)
cbcb →セピアタビー(暗)
cbcs、cbca、cc →セピアタビー(明)
cscs、csca、cc →タビーのシャム
caca、cac →青い目のアルビノ
cc →ピンクの目のアルビノ
▼Aアグーチ因子がaa(劣性)の毛色、ノンアグチ
CC、Ccb、Ccs、Cca、Cc →黒
cbcb →バーミーズ(暗)
cbcs、cbca、cc →バーミーズ(明)またはトンキニーズ
cscs、csca、cc →シャム
caca、cac →青い目のアルビノ
cc →ピンクの目のアルビノ

★優先⑥ T タビー因子(タビ―、縞模様のこと)
T因子内の優劣 Ta(不完全優性) > T > tb

TT、Ttb → マッカレルタビー(サバやトラやキジネコと呼ばれる)
TTa → 縞模様は手足や尻尾の部分に限られるマッカレルタビー
TaTa → 手足や尻尾の縞もほとんど無い、アビシニアンに近いマッカレルタビー
Tatb → アビシニアン(またはティックドタビー)
tbtb → ブロッチドタビー(またはクラシックタビー、意味はシミがあるような)

▼TTaは完全にTの性質が無くならないので、TaはTに対して不完全優性。
▼Aアグーチ因子A(優性)ならタビー模様。
さらにOオレンジ因子O(優性)と重なると、オレンジの縞模様、アビシニアン、ブロッチドタビー。
▼Aアグーチ因子aa(劣性 ノンアグチ)では、タビー模様にかかわらず黒になる。

★優先⑦ I (Inhibitor)因子(毛色をシルバーにする)
I因子内の優劣 I→毛色がシルバー(優性) > i(劣性)

毛色がシルバーの組み合わせは、ホワイト因子ww(劣性)、かつOオレンジ因子o(劣性)で、I因子がI(優性)
Aアグーチ因子aa因子(劣性 ノンアグチ)のため、シルバーはありえない。

★優先⑧ D 淡色化因子(Denseは毛の色を濃くする、ダイリュートは色を薄くする)
D因子内の優劣 D→濃色(優性) > d→ダイリュート

▼D淡色化因子D(優性)なら濃い毛色(野生型)。
▼D淡色化因子dd(劣性)の場合のみ、ダイリュート修飾子でダイリュート色が決まる。
ダイリュート修飾子の優劣 Dm(優性) > dm

▼D→濃い色 が淡色化⇒▼dd + dmdm→薄い色や修飾無し さらに淡色化⇒▼▼dd + Dm→薄い色・修飾あり
▼黒 が淡色化⇒▼ブルー さらに淡色化⇒▼▼ブルーキャラメル
▼チョコレート が淡色化⇒▼ライラック さらに淡色化⇒▼▼ライラックキャラメル、トープ
▼シナモン が淡色化⇒▼フォーン(小鹿、淡黄褐色) さらに淡色化⇒▼▼フォーンキャラメル
▼オレンジ が淡色化⇒▼クリーム さらに淡色化⇒▼▼アプリコット(Apricot、アンズ)

★優先⑨ S 白斑因子(Spotting、体の一部を白くする)
S白斑因子の優劣 S→白斑 (不完全優性) > s

ネコのお腹や背中から白斑が広がり、しっぽの先に最後まで色が残る。
体に色があるが、しっぽだけ白いネコはありえない
確率の上では、S白斑因子が全身に及んで、真っ白になる可能性はある(極小)。

★優先⑩ L(Length)因子 毛の長さを短くする。
L因子内の優劣 L→短毛(優性) > l(長毛)

▼L因子ll(劣性)の場合のみ長毛のネコ

追伸:短足、折れ耳、その辺の遺伝子は解説が嫌なのでこの辺で。。
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