先々代犬の話
瑠奈はちょうど20年前、我が家にやってきたコーギーの女の子で、私たちが初めて室内飼いをした子でした。
小さい時はそれなりにおてんばだったのですが、特に教えた訳でもないのに家の中では一切排泄をせず、家具をかじったりといったいたずらもなかったので、生涯の大半をケージの外で気ままに過ごしました。
穏やかで優しく、いつもニコニコしているような性格でしたが運動神経は良く、アジリティやフリスビーをやらせた時期もありました。
その一方で病気も多く、尿路結石症でずっと療養食のフードしか食べられませんでしたし、後ろ足にできた腫瘍の除去手術もしました。
当時の私は、持って生まれたものを人間の都合で取り除いてはいけないという考え方で避妊手術もしていなかったのですが、何度目かの発情期の後、子宮蓄膿症を起こして子宮と卵巣を全摘することになりました。
ただ、この手術の後は体質が変わったのか、あれほど弱かった胃腸が丈夫になって一切下痢をしなくなったのを見て、ちょっと複雑な思いをたものです。
瑠奈の後ろ脚に異変が生じたのは12歳になる少し前でした。
最初はお散歩の途中で時々よろめくのを見て、瑠奈も歳を取ったなあくらいに思っていたのですが、徐々に麻痺症状を呈してきたことから、色々調べてDM(変性性脊髄症)という病名に行き着きました。
DMは後ろ足の麻痺から始まることが多く、次第に上半身へと麻痺が進んでいく遺伝性の病気で、現時点では根本的な治療方法はありません。
獣医さんからも、発症したら余命は大体2年ですと宣告を受けました。
後ろ足が麻痺した瑠奈に大好きなお散歩させてやるため、最初は介助用のハーネスを使っていたのですが、これは犬にも負担が大きいし人間も扱いにくいので、犬用車椅子を用意することにしました。
色々な種類の犬用車椅子がある中で、あれこれ検討した末にはな工房の車椅子を選びました。
はな工房の車椅子は、機械部品の製造を専門とされる社長さんが、DMを発症したご自身の愛犬のために考案されたものだけあって、とても性能が良く、この車椅子のおかげで瑠奈はDMを発症したのちも色々お出かけもできましたし、旅立つ前の年の冬には大好きだった雪遊びもできました。
また、前足もより丈夫になって、車椅子が使えない室内でも、前足だけで移動していました。
瑠奈が車椅子を使い始めてしばらくした頃カノンもやって来ましたので、瑠奈の晩年は結構賑やかなものとなりました。
14歳になったころからは麻痺が前足にも進行して、最後の5か月間は寝たきりとなり介護の毎日でした。
DMの唯一の救いは苦痛を伴わないことなのですが、床ずれをふせぐためあれこれ苦労したのも今となっては懐かしい思い出です。
DMの症状の記述には、最後は呼吸中枢が麻痺して呼吸困難になるというものもありますが、瑠奈の場合は最期まで苦しむことなく、側にいた私たちも気づかなかったくらい静かに旅立って行きました。
それは優しい瑠奈の最期の心遣いだったのかもしれません。
DMを発症してから2年余り、14歳と5か月の一生でした。
最近は、遺伝子検査もきちんと行われるようになり、DMが発症しない組み合わせで交配が行われることが多くなりました。
今回お迎えしたごんちゃんもDMクリアということで、良い時代になったと思っています。
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>>まみまみさん
読んでいただいてありがとうございます。
瑠奈との15年足らずの生活で、犬と暮らすのがどういうことかを随分学んだ気がします。
お別れの時のつらさは言葉にできないものがありますが、それでも新しい子を迎えようと思うのはつらいこと以上に楽しいことがあるからだと思います。
まみまみさんが仰るとおり、虹の橋のたもとで瑠奈とカノンは権三郎の成長を見守ってくれていると思っています。
当の本人(犬?)はそんなことも知らずぐーぐー寝てますが・・・
瑠奈ちゃんのお迎えきら旅立ちのお話しを読ませて頂きました。
尿路結石症でフードを選びながらも、ニコニコ元気だった瑠奈ちゃんが、後ろ足の麻痺になり、随分悩まれ悲しい日々の中、車椅子にであえて、雪遊びが出来た時の喜びは、忘れなれないですね。DMと言う病気は、組み合わせ交配で防げるのですね。
小さかったお子さん達との触れ合いも含めて、いっぱいの思い出がありますね♡
権三郎くんとの楽しく過ごす皆さんを、瑠奈ちゃんもカノンちゃんは、これからもずっと、見守ってくれていますね♡♡
>>ばあばママさん
おはようございます。
瑠奈はホントにお病気わんこで苦労も多かったのですが、それ以上に家族を幸せにしてくれた子でした。
瑠奈がやってきたとき、まだ小学生だったうちの子供たちの成長をずっと見守ってくれた気がします。
権三郎は昨日、1回目の10種混合ワクチン接種が終わりました。
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