猫ちゃんのシャワー、シャンプーについて
文章中心ですが、よろしければお付き合いくださいませ。
トップの写真はわたしと一緒に暮らしている2匹の猫が一緒にお風呂に入っているときのものです。
どちらの子もシャンプーの時に暴れるということはありませんし、シャンプーまでの間はこのようにとてもリラックスした様子で待っていてくれます。すぐそばで飼い主がシャワーを使っていますが、まったく動じません。写真奥の子、しらたまは汚れたと感じると自分からシャンプーしてほしいと言って来るくらいに慣れしています。しらたまは2週間シャンプーしないと「なんでシャンプーしてくれないの (#-ω-)」と怒りますね (^^;
さて、わたしが 2 匹のお風呂教育に使った方法はほとんどの方ができることです。
ただし、いつでもできるというわけではありません。
簡潔にいうと「適応期」を利用しています。
猫が本来は警戒の対象である大型犬を親であるかのように接したり、本来は捕食対象であるネズミや小鳥を家族であるかのように接したりすることがありますが、それと同じ原理です。猫は本来、体が濡れてしまうことに対して本能的な恐怖を感じているといわれていますが、これを適応期に適切な教育を行うことで上書きしているのです。
教育はいくつかのステップに分けて行います。
1. 水のあるお風呂場に慣らす
2. シャワーの音に慣らす
3. 体を洗うことへの警戒感を弱める
4. シャワーでお湯をかけられることに慣らす
5. シャンプーを使って猫ちゃんの体を洗う
順番に解説していきます。
なお、言うまでもないことですが、本能的な恐怖を上書きしなければならないので子猫ちゃんから信頼されていることは絶対条件です。
ステップ 1. 水のあるお風呂場に慣らす
この段階ではまだ猫ちゃんを濡らさないようにします。また、家族には大きな物音をたてないようにお願いしておきましょう。
子猫ちゃんと一緒にお風呂場に入ります。この時、お風呂の蓋と洗い場は猫ちゃんが歩き回っても濡れないように拭いておきましょう。
飼い主さんは湯船に入って、子猫ちゃんは洗い場や蓋の上を自由に歩けるようにします。
最初のうちは驚きや恐怖で固まっているとおもいます。しばらくそのままにして様子を見ます。何事もないということが分かれば、子猫の場合は興味深そうにあたりの様子を調べ始めると思います。それを待ってから撫でてあげたりブラッシングしたり声をかけてあげたりしてコミュニケーションをとります。
お湯につかっている飼い主さんがいつも通り撫でてあげたりブラッシングしたり声をかけたりすることで水に濡れても何か変わったことがあるわけじゃないということを教えてあげるのです。
なお、5 分程度様子を見てそれでも固まっているようであればその日はお風呂場の外に出してあげましょう。
ステップ 2. シャワーの音に慣らす
この段階でもまだ猫ちゃんを濡らさないようにします。
子猫ちゃんと一緒にお風呂に入ります。子猫ちゃんを水がかからない場所に待機させて飼い主さんはシャワーを浴びます。
飼い主さんがシャワーを浴びている様子を見せるだけなのですが、猫ちゃんによってはこの時にパニックを起こすことがあります。
絶対に猫ちゃんが濡れないように注意してください。
飼い主さんがシャワーを浴び始めると子猫ちゃんはびっくりすると思いますが、そのまま様子を見ます。
子猫ちゃんがシャワーを浴びている飼い主さんに興味を示したら撫でてあげたり声をかけてコミュニケーションを取ります。シャワーを浴びると気持ちいいんだよということが伝わるように意識してください。
2人一組で片方が猫ちゃんの安全確保、片方がシャワーを浴びるというように分担すると猫ちゃんが濡れてしまう心配が減るので楽になると思います。
シャワーの音が嫌いという猫ちゃんは多いのですが、このステップでシャワーの音に慣らしてあげるのです。
シャワーに慣れてもらうと猫ちゃんのお風呂が格段に楽になります。
ステップ 3. 体を洗うことへの警戒感を弱める
この段階でもまだ猫ちゃんは濡らしません。
この段階では飼い主さんが体を洗う様子を見せることで「泡だらけにされたとしても怖いことはないんだよ」ということを教えてあげます。
ニオイを嗅がせたりするので飼い主さんが体を洗うのは猫ちゃん用のシャンプー、できるだけニオイの少ないものを使ってください。人間にとってのいい匂いが猫ちゃんにとってもいい匂いとは限らないことに注意しましょう。
飼い主さんが体を洗う様子を初めて見た猫ちゃんはドン引きすると思いますが、かまわず体を洗いながら声をかけてあげてください。なるべく気持ちいいんだよということを伝えられるように心がけましょう。
猫ちゃんが興味を示してくれたら泡だらけになった手や髪のニオイを嗅がせて「怖いことは何もないんだよ」ということを教えてあげましょう。
身体を洗う飼い主さんを見ても猫ちゃんがトップの写真のようにリラックスするようになったら次に進みます。
ステップ 4. シャワーでお湯をかけられることに慣らす
ここからようやく猫ちゃんを濡らすことに慣れさせていきます。
このステップが一番時間がかかります。
シャンプーは使わずにお湯だけで慣らしていきます。
お湯だけなのは、シャンプーを使ってしまうと猫ちゃんが嫌がって暴れたときにすぐにお風呂から出してあげることができないからです。
また、猫ちゃんをお湯に慣らす前に飼い主さんが体を洗う様子を毎回見せます。
最初は洗い場の床に少しお湯を流し、そこへ後脚だけを「チョン」とつけるだけにします。
それでも猫ちゃんはとても驚くと思いますので、決して床に落とさないように注意してください。
床に落としてずぶ濡れにしてしまって猫ちゃんに嫌な思いをさせてしまうとこれまでの苦労が水泡に帰します(´・ω・`)
流れるお湯に後脚を「チョン」とつけたらその日はおしまい。すぐに濡れない場所へ戻してあげます。
後脚を「チョン」とつけて濡れない場所へ戻すのを猫ちゃんが驚かなくなるまで続けます。
後脚を流れるお湯につけても驚かなくなったら 4 本の脚すべてを流れるお湯に「チョン」と付けます。
なお、後脚だけだと動じない子でも前足まで流れるお湯につけられると暴れることがありますのでご注意ください。
4本の脚すべてが流れるお湯についても驚かなくなったら、しばらくお湯が流れる床の上を自由に歩かせてお湯にさらに慣れさせます。
慣れたら少しずつお湯をかける範囲を広げていきます。
わたしは後脚の太ももと尻尾、腰、お腹、肩と濡れる範囲を広げていきました。
お風呂から出た後でちゅ~るなど大好きなご褒美をあげるなど正の強化を併用するとより早く慣れるでしょう。
お風呂とご褒美を結び付けたくないという方は地道に慣らしていくしかありませんが、適応期は限られていることを忘れないでください。
ステップ 5. シャンプーを使って猫ちゃんの体を洗う
ようやく猫ちゃんにシャンプーを使えるようになりました(´・ω・)b
といってもいきなり全身ゴシゴシは NG です。
まずはお湯に濡らした猫ちゃんの後脚だけにシャンプーを使って反応を見ます。
暴れないようであれば少しずつ範囲を広げていきます。
焦らずに少しずつ、シャンプーに慣らしていきましょう。
首まで洗えるようになったらおめでとうございます、お風呂教育の完了です。
猫ちゃんにお風呂を教えるために必要な時間は結構ばらつきがありますが、生後 63 日までにステップ 3 までは終わらせたいところです。
絶対にやってはいけないことはいきなり猫ちゃんの全身を洗うこと、ずぶ濡れにしてしまうことです。極稀な例外を除けば、猫ちゃんがお風呂場に対して強い恐怖心を持つようになってしまいます。一度でも強い恐怖心を持たれてしまうと、それを解消するのは容易なことではありません。
それでは、猫ちゃんと幸せなお風呂タイムを送れるようお祈りしております。
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>>えみんさん
猫ちゃんは怖い思いをした場所には近づかなくなってしまうので、焦らずゆっくりと慣らしていってください。
猫ちゃんにお風呂は必要ないという方もいますが、お風呂に慣らしておくと薬浴が必要になった時などにも役立ちますのでメリットは十分にあると思います。
なにより、一緒にお風呂に入れると楽しいですよ♪
うわぁ✨コメ頂いて、確認後すぐに飛んできました‼️✨
凄いですね……!これは参考にさせていただきます‼️🙆✨こんなに丁寧に説明されているとは……凄すぎです🙌✨✨✨それに二匹の猫ちゃん、とっても可愛いですねぇ❤️
うちは丁度これからお風呂の練習段階なので、とても助かりました💦✨ありがとうございます😆❤️❤️❤️旨くできるか心配ですが、頑張ります……‼️✨
>>イヴっちさん
コツは
*いきなりドボン ダメ ゼッタイ
*千里の道も一歩より
です(笑)
なかなか前に進まないと感じてしまうこともあるかもしれませんが、焦らずゆっくりとお風呂に慣らしていってあげてください。その先には猫ちゃんと一緒のお風呂ライフが待っています。
猫ちゃんと一緒に素敵なお風呂ライフを送れるようお祈りしています。
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