Fantastic_infant ~犬なのに鹿~
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第二話 ~犬なのに鹿~
仕事の都合で家族と離れて暮らすore 。
年末年始の帰省時に始動したものの、家の用事や子供達の用事によりペットショップを数件回った程度で終了。せめて希望する犬種や毛色だけでも検討しよう。ということで、第一回検討会を開催。
まずは犬種。①チワワ、②ダックス、③豆芝、④トイプといったところが候補にあがる。
続いて毛色。①チョコ、②黒、③クリームといった意見が出るも結局は犬種次第ということで保留。とはいえ、yome と娘の断然チョコ派閥が最有力。
最後に雌雄。断然女の子を主張する娘は、まだ怖いから大人しい女の子がいいという。対する男の子希望の兄ちゃん達。で、三男が一言「女の子が大人しい?お前が言うか?」頷く兄二人。娘が可愛そうなので一旦保留とするも、男の子優勢で終了。
あとは各自ネットで色々学ぶなり検討するなりすることとし、ore は再び一人離れた場所へ。
ore は予てより検索していた「みんなのブリーダー」さんを閲覧しまくり、犬種、毛色、用語等々を学習。また、別サイトでは病気や遺伝等の健康面についてを学び、子供の頃は考えもしなかった視点も含め検討。
家族はと言えば、冬休み期間中に様々なサイトやペットショップで見たり触れたりしながら思い思いの判断で主張する材料を収集。
1月中旬。再度家に戻り、第二回検討会を開催。
犬種はチワワかダックスのロング、毛色はチョコ系、雌雄は決まらず。
で、ブリーダーさんのところで、との思いでいくつかの候補を家族と共にサイトで選ぶも、家の用事で帰省していて数日しか滞在できない身であるore には候補で選んだ他県のブリーダーさんにアポを取って見学にいく暇などあるわけもなく。。。
出向いた先の用事の合間や帰りに立ち寄れる限りで見て触れる程度。
迎えた滞在最終日。この日は午後からバイトの長男以外は全員完全フリーで最終便で発つore のタイムリミットまで行ける限りをアタックしよう!と決めており、前日までに決めていたルートで「相手の意見を潰さない。ケンカもしない。楽しんでいこう。」という約束の元、次々にアタック開始。が、決め手がないまま全ての候補を周り終わって終了。。。家に帰って諸々やって空港行く時間を考えると。。。とはいえ、次は一ヶ月後。しかし急いで無理に決めても。。。
運転する車のルームミラーには、見て回った中ではどの子が可愛いといった会話で盛り上がる子供達の姿。大事な決断をする難しさ、妥協して決めるものではないこと、みんなの考えをまとめることの難しさ、思うようにはならないこと等を学ばせることも出来た。決して無駄な時間ではなかった。
だけど、この日の約束を守って一度もケンカせず、楽しく過ごした子供達にもうあと少し、と、思った瞬間。迷うより動く!ということで、予定外で時間もないけど、もう1ヶ所だけ最寄りで立ち寄ることに決定。喜ぶ子供達。時間を心配するyome 。まぁどうにかなるさのore 。
これでダメならまた今度!それでも絶対妥協するな!という最後の約束にも全員納得。
いざ、最後のアタック開始。
お店に入り我先にと急ぐ子供達。
チワワもいる。ダックスもいる。チョコもブラックもクリームもいる。でも、この日たくさんみた中で彼等なりに感じていたこと。犬種や毛色や雌雄だけではなくて、元気さ、表情、耳の大きさ、鼻や肉球の色、動きの愛らしさなど、何となくではあるけれど、理想や好みのイメージがピッタリはまらないから決めきれないでいる自分。それはore もyome も
等しく感じていたこと。ここでもやはり。。。
子供達が立ち止まりしゃがみこんで覗き込んでいる。そこには騒がしい周囲をよそに眠る。。。
小さなチワワ。
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チョコじゃないのに、おでこハートのチョコやん。
鼻と肉球もチョコやん。こっちの肉球は白やん。
耳でか!デコの白い線かっこいいやん。
チョコレート&フォーンて書いてある。
三男)フォーンて何?誰か調べて。
次男)こんなうるさいのにずっと寝とるやん。
こいつら(三男と四男)みたいやん。
yome )あんたが言うな!
ore )フォーンて小鹿らしいよ。
三男)鹿なんこの子?
次男)馬鹿なんお前(三男)?鹿みたいな色たい。
三男)あーね。
かっこいいやん犬なのに鹿よ。ぎゃはは。
次男)黙れ。アホ。うるさいったい。
四男)起きんかな?起きてくれんかな?
三男)触りたいっちゃろ?連れて来てもらおう。
さっさと店員さんにアタックする三男。さすが兄貴
怪訝そうに起きた小さなチワワ。
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で、お前(三男)がだっこするんかい!
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恐る恐るながらも自ら触れにいく妹の姿を見て
次男)替わってやれ。
三男)いいけど、男の子やし落としたらいかんし
次男)そうやな。。。そしたらこのまま触り。
じっとしとるし、怖くないやろ?
少しずつ距離を詰めて、ちゃんと触れて、顔を間近に見て。。。
四男)この子がいい。この子じゃないと嫌だ!
あの瞬間、みんながしゃがんで覗き込んでいた時にこうなることを予想できていた。
それはyome も子供達もきっと感じていたはず。
あの時、全てがはまったことを。
yome )男の子やけどいいとね?
大きく頷く子供達。(なぜ次男と三男も?)
ore )決まりました。お願いします。
店員さん)え?もうお決まりですか?
ore )はい。お願いします。
小さなチワワに触れて数分。
yome )相変わらずやね。
ore )そらそうよ。あの顔見たら決まりやろ。
yome )どっちの? どっちもやね。
ore )そやろ。また金と飯食うやつ増えた。
そんなこんなで、何はともあれ、まだ名もなき「犬なのに鹿」な「5番目の兄弟」を家に迎えることが決まりました。
そしてこのあと、小さな末っ子と家族がワイワイ騒ぐ横でたくさんの書類を書かされながら、マイペースな、優しい店員さんのながーい説明とご自分が飼ってるチワワの話を聞かされ、急いで家に帰り「名前考えないかんね」と盛り上がる家族に見送られ、無事に空路につくことができました。
さて、次はいよいよ Φ(ふぁい)に纏わるお話です。
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